エスカレツアー「バレンタイン・エスカレーター・合コン」

東京エスカレーター」のミハさん主催のエスカレーターツアーに行ってきた。公共施設及び商業施設内にあるエスカレーターをひたすら上って降りて素敵だねえ、と愛でるツアー。バレンタイン前夜の、丸の内から銀座周辺をぐるぐるとめぐって参りました。こういう街なかでうろうろするの初めてだったんだけど、うっかりするとすぐに同好の士を見失う。最後は一瞬気を抜いた瞬間に完全にはぐれたしな。とほほ。

東京国際フォーラムのなかにあるひとり乗り×4機で対向式になってるミニマムなやつが素敵だった、と一度は言ったのですが、やっぱり有楽町阪急の鏡張り無限回廊が勝ちかも。ゴージャスすぎる。こういう圧倒的なものを目にすると(その審美はともかく)やっぱり「百貨店」の存在ってとくべつな意味があるなぁとしみじみ想う。対を成す西武は閉店しちゃうわけだけど。ううむ。

こういうツアーの何が楽しいかって、ふだんの風景の中にあるほんの少しの差異をクローズアップしてくれる人のおかげで、それ以降の世界の解像度がちょっとあがること。エスカレータの踏み板にメーカー名が刻まれてることすら気にしてなかった自分が、たった三時間で「2基じゃなく4基以上が対になってるのがかっこいい」とか「黒いベルトはノーブルだ」とか言い出すからね。おもしろい。

当日の参加者によるつぶやきまとめ。濃い。

地下に架ける橋

(絶え間なく足元を流れていく車線を"Troubled Water"と呼び習わすのもまた一興)

「六本木近辺に面白いところはありませんか」とつぶやいて、hachimせんせいにご教示いただいた「地下にある橋」を見にいってきた。場所は東京六本木、飯倉のJCTから少し東に向かった飯倉片町の交差点。二本あるうち、JCT側の地下歩道がちょっと面白いことになっている。


一見すると、ふつうの地下道入口。降りていくとアクリル板の向こうでなにかが動く気配。



ぐっと顔を寄せてみると、ぼんやり見えるのは流れる車。足元を車が走っている。見上げると空も見える。ええと…。


(この絵心のなさよ…)つまり、もともと一般道の上を二段の高架になっている首都高のうち、一本はそのまま上空に、一本は地下に潜り、この地下道は最下層のトンネルより上に橋として存在している、というわけ。まさに「どうしてこうなった」状態。先般の「高架下ツアー」ではお堀に覆いかぶさるように建設された首都高を満喫したわけですが、かなり起伏のある地形に可能なかぎりまっすぐ道を通そうとした苦心のほころびみたいな場所でした。ここは、地下に潜り始めの掘割だからこんな気の利いた設計になったのかな。同じ交差点の東側にある地下歩道は、コンクリ詰めの普通の地下道なのだけど。

橋を堪能した反対側の出口は地表の高さがぐっと下がっているので、階段を登らずにして地上の風景。日常のクラクラ構造はこういうところに息をひそめてる。

そして、さっき足元を通っていた車線が、ものの3分歩くぐらいではるか上空に延びてゆく。不思議な街だなあ。「惑星ソラリス」で未来都市として描写されてるのもうなずける。この場所もちらりと登場します。

シューゾウ(追記しました)

ラッキーさん達のなかでいちばんよく見かけるコイツに名前はあるのかしら、と思って調べてみた。残念なことに特定の名前はないみたいで「沓座拡幅のための部材」と呼ぶのが正確なよう。鋼やブロックを取り付けたり、鉄筋コンクリート打ち足したりして、けたかかり長の不足を補う役割。

この沓座。「くつざ」と読むのかと思ったら「しゅうざ」。そんな読み方あったっけ?と思ったらshoeとかけたひとひねり専門用語らしい。いらんて、そんなウィット。

そんなわけで、君、今日から「シューゾウ」な。三種類だし。



たいへんよく見る。やたらめったらボルト打たれてるのがちょっと笑える。



武骨。街なかではあんまりみかけない。



これ、気付くことが出来るんだろうか。なぞ。まだ見ぬシューゾウよ。

追記:と、ぼやいてたら@mechapandaさんから写真の提供が!止めてるボルトが見えないので、多分打ちたしシューゾウなのでしょう。こんな写真がストックされてるなんてほんとどうかしてます(心からの褒め言葉)。ありがとうございました!

首都高速環状線・飯倉JCTー飯倉片町交差点


段違いシューゾウ!


鉄骨で止めてあるシューゾウ。新ネタ!錆のテクスチャが新鮮。


これ、ダメじゃないの?桁から離れてていいの?


ぎっしり。


こちらいちばんのお気に入りシューゾウ四兄弟。路面がこんなに傾いてるなんて思わなかった!