地下に架ける橋

(絶え間なく足元を流れていく車線を"Troubled Water"と呼び習わすのもまた一興)

「六本木近辺に面白いところはありませんか」とつぶやいて、hachimせんせいにご教示いただいた「地下にある橋」を見にいってきた。場所は東京六本木、飯倉のJCTから少し東に向かった飯倉片町の交差点。二本あるうち、JCT側の地下歩道がちょっと面白いことになっている。


一見すると、ふつうの地下道入口。降りていくとアクリル板の向こうでなにかが動く気配。



ぐっと顔を寄せてみると、ぼんやり見えるのは流れる車。足元を車が走っている。見上げると空も見える。ええと…。


(この絵心のなさよ…)つまり、もともと一般道の上を二段の高架になっている首都高のうち、一本はそのまま上空に、一本は地下に潜り、この地下道は最下層のトンネルより上に橋として存在している、というわけ。まさに「どうしてこうなった」状態。先般の「高架下ツアー」ではお堀に覆いかぶさるように建設された首都高を満喫したわけですが、かなり起伏のある地形に可能なかぎりまっすぐ道を通そうとした苦心のほころびみたいな場所でした。ここは、地下に潜り始めの掘割だからこんな気の利いた設計になったのかな。同じ交差点の東側にある地下歩道は、コンクリ詰めの普通の地下道なのだけど。

橋を堪能した反対側の出口は地表の高さがぐっと下がっているので、階段を登らずにして地上の風景。日常のクラクラ構造はこういうところに息をひそめてる。

そして、さっき足元を通っていた車線が、ものの3分歩くぐらいではるか上空に延びてゆく。不思議な街だなあ。「惑星ソラリス」で未来都市として描写されてるのもうなずける。この場所もちらりと登場します。