有坂蓉子×大山顕 presents 新春富士塚ツアー


こちら八丁堀の鉄砲洲富士。マンションに囲まれていながら、荘厳。

まさかの二日連続フィールドワーク。バレンタインデー×旧正月×新月という、節目の日に富士塚をめぐってきました。富士塚って富士講民間信仰?くらいの前知識しかなかったんだけど、思った以上に適当で、粋で、愛され親しまれてきた(いまでも)存在な事を知りました。地形的な観点(大山さんが事前にまとめた地形図との照合、すごくエキサイティング)でも江戸風俗的な観点でもまちづくり的な観点でも楽しめるすぐれもの。こんなに素敵なものが今まで見えてなかったとはもったいないことをした。

富士講も、もっと厳密に宗教的なものかと思ってたんだけど、要は町内会の娯楽のひとつみたいなものだったのね。富士山に登るのは大変なので、自分たちで作っておなじような御利益を得よう、というのが富士塚のはじまり。とはいえ実際に富士山の溶岩を運んできてつかっていたり(当時の運搬は海運がメインだったので川や海を使って山を作るという奇妙な構造に!)、富士のお中道のあたりが石楠花の群生地なのにちなんで五合目付近に石楠花を植栽してみたり、山を築くために掘った穴を富士五湖に見立てた池にしてみたり。判じ物のようにいろいろな工夫と見立てを凝らしているのがすてきだった。


歌舞伎町のど真ん中、西大久保富士。左右にふたつ山があって、カミテが4合目まで、シモテが5合目〜頂上という斬新すぎる発想。江戸時代に立体空間をずらして構築するってさあ。絶対未来人のしわざ。

今回めぐったところは、とくに特徴的でわかりやすいものが多かったのだけど、開発で消えてしまったり、移動させられたりといろいろな来歴をもった富士塚があるそう。「そういうポータブルな感じもいいんです」とおっしゃる有坂さんも、変に研究家っぽくなくておもしろい(でも、何聞いても10倍になって帰ってくるのに感激。すごい)。

有坂さんのブログもすごくおもしろい。で、このツアーをさらに深く広く展開する富士塚ナイトが3/14にお台場カルカルにて開催。おもしろいことになりそうです。

当日の参加者+αによるつぶやきまとめ。木花咲耶姫のはなしが盛り上がりすぎ。恋愛の神様でもあるのだけど、御利益はいかほどあるのだろうか…。